Achievement 2014
少年野球投手のための モーション・シンセサイザー
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モーション・シンセサイザーでは、さまざまなニーズに対応して、さまざまな投球動作を作り出すことができます。
ここでは、モーション・シンセサイザーで作り出した投球動作を2例ほど紹介します。

モーション・シンセサイザーのアウトラインを知りたいときは、下記の「詳細な説明」ボタンをクリックしてください。
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少年野球選手は肘の障害が多いです。
このページでは肘の障害に着目し、
肘への負担を減らしつつ、パフォーマンスを向上させるための投球動作
について解説します。

今回開発したシミュレーション・システムである
「肘の靭帯張力を低減させる投球動作を提案するシステム」
についての詳細な説明をみたいときは、下のボタンをクリックしてください。
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シミュレーション例1 (パフォーマンス系ニーズ)




ここでは、ある少年野球投手を対象にして、
40試技の投球動作と球速とコントロールのデータを用いて、
パフォーマンス系のニーズに応えたいと思います。

球速を高めつつ、コントロールもよくしたい。
現場でよくあるニーズですが、
こうしたニーズを満たすためにはどのような投球動作にしていくとよいでしょうか?

注) このシミュレーションの結果は、この少年野球選手にデータを用いていますから、
   この選手に特化した結果が表示されます。
   普遍的にすべての少年野球選手に当てはまるわけではないので注意が必要です





このシステムでは、このようなスライドバーを用いて、ニーズの設定を行っていきます。
「球速を高めつつ、コントロールもよくしたい」
というニーズを満たす動作を求める場合には、
球速のスライドバーを右側(MAX側)に移動させ、
コントロールのスライドバーを右側(GOOD側)に移動させます。

逆に、「球速が減少しつつ、コントロールも悪くする」ためには、
球速のスライドバーを左側(MIN側)に移動させ、
コントロールのスライドバーを左側(BAD側)に移動させます。

ニーズの設定後、モーション・シンセサイザーで新しい動作を生成します。




画面左は、パフォーマンス(球速・コントロール)が落ちてしまう動作パターン、
画面右は、パフォーマンス(球速・コントロール)がよくなる動作パターンです。

下記の動画ボタンをクリックして、動画を見てください。

正面からの視点
動画 最良動画 最悪

横からの視点
動画 最良動画 最悪


それでは、この動作のポイントを静止画を用いて、説明します。




上の図は、フットコンタクト時の姿勢を示していますが、
着目すべき点は左下肢(踏み込み脚)の姿勢です。

画面左(パフォーマンスが下がる)と画面右(パフォーマンスが上がる)との違いがわかるでしょうか?

(ここでは姿勢の違いをあえて言葉では表現しません。言葉での表現は誤解を生むことが多いからです。視覚的に違いを感じとってください)

左下肢の姿勢も異なりますが、それに伴い体幹の回旋状況も異なるのがみえるでしょうか?

さて、フットコンタクト時の姿勢の違いが見えてきたかと思いますが、
フットコンタクト時にこういった姿勢にもっていくためには、
それより前のフェーズでどういう姿勢にもっていくことが必要でしょうか?

ここでは、ワインドアップ時の姿勢を紹介します。
選手に指導するときには、フットコンタクト時の姿勢を指導するより、ワインドアップ時の姿勢を指導するほうがはるかに容易になるからです。



上の図は、ワインドアップ時の姿勢を示していますが、
着目すべき点は右下肢(軸足)から体幹に至る姿勢です。

画面左(パフォーマンスが下がる)と画面右(パフォーマンスが上がる)との違いがわかるでしょうか?

(ここでは姿勢の違いをあえて言葉では表現しません。言葉での表現は誤解を生むことが多いからです。視覚的に違いを感じとってください)

このワインドアップの姿勢は、選手に指導しやすく、
この姿勢を変えることで、フットコンタクト時の姿勢やリリース時の姿勢にも変化を与え、
はたまた、球速やコントロールにも変化を与えることになります。

ここで示したシミュレーション結果は、
数千万個に及ぶ相関係数を解析して導いた結果であり、
この連鎖のことを我々は

「統計学的な運動連鎖」

と呼んでいます。


シミュレーション例2 (パフォーマンス+障害予防)





さきほどは、パフォーマンスに関する動作を示しましたが、
今度は肘の靭帯張力のデータを加えて、
パフォーマンス系+肘障害予防のニーズに応えたいと思います。

「球速を高めつつ、コントロールもよくしたい。」
というニーズに加えて、
肘の靭帯張力(内側側副靭帯)を低減させるためには、
どのような投球動作にしていくとよいでしょうか?

注) このシミュレーションの結果は、この少年野球選手にデータを用いていますから、
   この選手に特化した結果が表示されます。
   普遍的にすべての少年野球選手に当てはまるわけではないので注意が必要です




それでは、これまでと同様にスライドバーを用いて、ニーズの設定を行っていきます。
「球速を高めつつ、コントロールもよくしたい。さらに肘の靭帯張力も低減したい」
というニーズを満たす動作を求める場合には、
球速のスライドバーを右側(MAX側)に移動させ、
コントロールのスライドバーを右側(GOOD側)に移動させます。
そして、さらに
肘の靭帯張力(UCL)のスライドバーを右側(MIN側)に移動させます。

逆に、「球速が減少し、コントロールも悪くなり、さらに肘の靭帯張力も増大させる」
ためには、
球速のスライドバーを左側(MIN側)に移動させ、
コントロールのスライドバーを左側(BAD側)に移動させます。
そして、さらに
肘の靭帯張力(UCL)のスライドバーを左側(MAX側)に移動させます。

ニーズの設定後、モーション・シンセサイザーで新しい動作を生成します。

肘の靭帯張力バーを右側(MIN)に移動すると
肘の内側側副靭帯張力の経時データは、グラフの緑の線になります。
つまり、平均(黄色)よりも張力のピークと力積が小さくなります。

肘の靭帯張力バーを左側(MAX)に移動すると
肘の内側側副靭帯張力の経時データは、グラフの赤の線になります。
つまり、平均(黄色)よりも張力のピークと力積が大きくなります。



画面左は、すべてのニーズを満たさない動作パターン、
画面右は、すべてのニーズを満たす動作パターンです。

下記の動画ボタンをクリックして、動画を見てください。

正面からの視点
動画 最良動画 最悪

横からの視点
動画 最良動画 最悪



それでは、この動作のポイントを静止画を用いて、説明します。



上の図は、フットコンタクト時の姿勢を示していますが、
着目すべき点は体幹の捻りです。(左肩甲骨の見え方が違うと思います)

画面左(靭帯張力が増える)と画面右(靭帯張力が減る)との違いが見えるでしょうか?

(ここでは姿勢の違いをあえて言葉では表現しません。言葉での表現は誤解を生むことが多いからです。視覚的に違いを感じとってください)

さて、フットコンタクト時の姿勢の違いが見えてきたかと思いますが、
フットコンタクト時にこういった姿勢にもっていくためには、
それより前のフェーズでどういう姿勢にもっていくことが必要でしょうか?

ここでは、ワインドアップ時の姿勢を紹介します。
選手に指導するときは、フットコンタクト時の姿勢を指導するより、ワインドアップ時の姿勢を指導するほうがはるかに容易になるからです。




上の図は、ワインドアップ時の姿勢を表現しています。
さきほど、靭帯張力を低減させるためには、フットコンタクトで体幹を捻らなければならないと説明しました。
今回の図は、ワインドアップ時から体幹の捻りを準備しておく必要があることを示しています。



上の図は、ワインドアップの姿勢を横から見たものです。

画面左(靭帯張力が増える)と画面右(靭帯張力が減る)との違いが見えるでしょうか?

(ここでは姿勢の違いをあえて言葉では表現しません。言葉での表現は誤解を生むことが多いからです。視覚的に違いを感じとってください)

このワインドアップの姿勢は、選手に指導しやすく、
この姿勢を変えることで、フットコンタクト時の姿勢やリリース時の姿勢にも変化を与え、
はたまた、球速やコントロール、そして肘の靭帯張力にも変化を与えることになります。

ここで示したシミュレーション結果は、数千万個に及ぶ相関係数を解析して導いた結果であり、この連鎖のことを我々は

「統計学的な運動連鎖」

と呼んでいます



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