ハイライト
今後の展望
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このシステムの近未来像

 近年、motion-captureシステムは飛躍的に発達してきています。最近では被験者の動きに合わせて瞬時(リアルタイム)に角度が計算できるようになっています。
 私が開発したシミュレーションシステムでも球速や病変を瞬時(リアルタイム)に予測できますから、このリアルタイムなmo-capシステムと組み合わせることで、下記のように投球動作から球速や病変を瞬時に予測することができるようになると考えられます。


すると、投球動作をmotion-captureしながら投球動作をその場で修正することができ、その結果を瞬時(リアルタイム)に表示できます。
これを何度か試行錯誤することにより選手は理想的な投球動作をしたときの感覚をその場で見出すことができるようになります。
最終的にはよい感覚の投球動作を自宅で自分のパソコンで閲覧し、復習できます
その投球動作を筋骨格モデル解析ソフトウェアSIMM(nac)で解析することにより、その動作における重要な筋力が推定できますから、どの筋肉をトレーニングしていけばよいかがわかるようになります。

そのうち、日本のいたるところで「Motion Capture Studio in・・・」という施設ができ、そこにいけば選手はHigh perfomance & Minimum injuryとなるような投球動作を見出すことができるようになるかもしれません。


 これまでの話では、このシステムはMo-Capシステムが存在することが前提になっています。しかし、Mo-Capシステムは非常に高価(約数千万円)であり簡単に導入することができません。
 そこで、もっと簡便で安価な軽量型カメラを用いた動作計測システムの開発が今後の課題です。
 今回開発したモーション・シンセサイザーという技術は、こうした安価な軽量型カメラ (例 デジカメ、キネクト)などでも転用することができます。


 最終的には、高価で場所をとる光学式motion-captureシステムなどは使わなくてもよくなるでしょう。
 そして、診察室やリハビリ室などでも投球動作を簡便に評価でき、その場で客観的な指導ができるようになると思います。
 そのための安価なシステムを現在開発中です。また結果がでましたら報告します。


本手法の応用




 今回用いた手法(モーション・シンセサイザー)は他の競技でも他のスポーツ障害でも応用が可能です。
例えば、バッティング動作のスイングスピードを高めるためにはどのような動作が最適か?といった問題でもシミュレーションを作成できると思います。
バレーボールのスパイク動作、ゴルフ・・・・このシステムはどのようなスポーツ動作であってもシミュレーションを作成できます。
 今回私は投球障害肩をテーマにしていましたが、肘障害でも腰部障害でも・・・・応用が可能です。
今後、多くの競技に応用していきたいと考えています。


 たとえば、カッティング動作における膝障害の予測と予防にも使えます。



課題と展望





モーション・シンセサイザーは新しい解析技術です。
そのため、データベースはまだそれほど大きくなく、
いわばうまれたばかりの赤ちゃんです。
しかし、ふつうの赤ちゃんと違うのは
「抜群の解析脳力」
を持っていることです。
つまり、高速で安定した解析が可能であり、その理論体系はほぼ確立しました。
今後は、さまざまな機関・業種の方々と協力してさまざまなデータを収集し、データベースを拡張していきたいです。
そう、
この赤ちゃんにデータを食べさせれば食べさせるほど、このシステムは成長し、そこから得られる知見の普遍性と信頼性は向上するのです。






 現在のシステムでは、角度データをシミュレーションするのにエクセルで計算しています。そのシミュレーションした角度データを筋骨格モデル解析ソフトウェアSIMM(nac)を通して、SIMM viewer用のファイルに出力して3Dアニメーションが見れるようになっています。したがって、アニメーションをみるためにはSIMMを通さなければならないため、面倒な作業が増えてしまっています。
 私はシミュレーション結果を「だれでもどこでもゲーム感覚で見てほしい」と考えています。そのためには、インターネット回線を使ったWeb上のソフトウェアが必要です。エクセルでシミュレーションしたデータからダイレクトにアニメーションを作成できるソフトウェアが開発されればこの問題は解決すると考えられます。

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