このシステムでは投球動作をコンピュータ上で変更することにより、関節窩に対する上腕骨頭のうごきと、その時のMRI上の上腕骨頭病変のGradeを予測できます。
シミュレーションの構築については主成分分析とロジスティック回帰分析を使いました。これにより、投球動作から病変を単に予測するだけではなく、力学的な裏付けを持って投球障害肩の病態がどのようになっているかを確認することができるようになりました。
シミュレーションの一例を示します。左上の投球動作はこのデータベース内の大学野球選手の平均の投球動作を示しています。この投球動作ではMRI上Grade1「境界病変」が66%の確率でできてくると予想されます。その時の関節窩に対する上腕骨頭のうごきは平均的なうごきになります。
次にコンピュータ上で投球動作を変更したのが右上図です。左上図と比較して肘がさがり、体幹が非投球側へ側屈した投球動作をつくってみました。
するとこの投球動作ではGrade3「骨軟骨欠損」が95%以上の確率で生じてくると予測されます。このときの関節窩に対する上腕骨頭のうごきは最大外旋時に平均よりも後上方に移動します。
ぜひ下記の動画でご覧ください。
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