ハイライト
投球動作のシミュレーションシステムの開発
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開発したシステムの概要


  


現場でよくある質問ですが、
「先生ぼくの投球フォームをこんな風に変えたら、肩痛くならないですか」
こうした質問に的確に答えることはできるでしょうか?
こうした質問に医科学的に答えたいと考えました。そこで・・・

ある任意の投球動作から病変と球速を予測し、この病変を防ぎつつ球速を高められるような投球動作を提案できるシミュレーションシステムを開発しました。

予測結果の表示例




まず、投球動作をmotion captureします。
全身の関節角度データをこのシステムに入力するとすぐに(数秒間で)
推定球速と投球肩のMRI上の病変Gradeの確率が予測できます。

この例では
左上の投球動作(本当は動画)では
Grade 2の上腕骨頭病変(赤↑のMRI像)が70%の確率で生じ、(正診率=89%)
その時の球速は135±3km/hの球速がでると推定されます(決定係数=0.972)。
その時の肩関節内の様子を3Dアニメーションで確認できます。

実際のシミュレーション例




 このシステムではコンピュータシミュレーションを行うこともできます。
左上の投球動作は大学野球選手の平均の動作を表しています。
この動作ではGrade1の境界病変(赤↑のMRI像)が87%の確率でできます。
そこで、今度はパーソナルコンピュータ(PC)上で左上の平均の動作を変更し、
「より肘をさげ、より体幹を側屈するような投球動作」
を作ります。
この動作ではGrade3の骨軟骨欠損(赤↑のMRI像)が99%の確率でできると予測されます。
このように、パーソナルコンピュータ上で簡単に動作を変更することができ、その変更した動作での病変と球速を瞬時に予測することができます。
平均の投球動作と変更後の投球動作を動画で示します。以下のアイコンをクリックしてみてください。
動画 平均動作  動画 変更後 

病変を防ぎつつ球速を高められる投球動作を提案した例

  


左上の動作は大学野球選手の平均の投球動作です。
本システムでは最適化手法を導入していますので、この平均の投球動作から病変を防ぎつつ球速を高められるような投球動作を瞬時に求めていくこともできます。
この例では、動作を変更後、
球速は11km/h増加し、病変はGrade1(境界病変)からGrade0(正常)に改善します。

 動画 平均投球動作 動画 変更後


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